【No.026】粉飾決算の実務
2017.09.22
こんにちは緒方です
本日、2年生の授業は、齊藤先生の商業簿記でした
何が行われていたかというと…
「粉飾決算の研究」
と、いうことで、今回は
その授業の内容をご紹介したいと思います
本日のブログ、スタート!
講師ブログNo.026
「粉飾決算の実務」
2年生の経理本科では、
検定試験範囲の授業を行うのではなく、
実務研究だったり、答えのない問題を考えてみたりと、
主に簿記に関する探究・研究を行います
今回の商業簿記では、
学生一人ひとりが、「粉飾決算の実務」について
研究・発表する授業でした
(研究は1か月程行ったようです)
最近、大企業で目立つ粉飾決算ですが、
一体どのようなものなのか、簡単にご説明します
粉飾決算とは、一言でいえば
「不正経理」です
売ってもいない売上を計上したり
起こっていない取引を記録したりと、
具体例は様々ですが、
要は事実と違う会計記録を行うことですね
粉飾決算を行うと、
その企業の財務諸表(損益計算書や貸借対照表)の
信用がなくなるため、
上場廃止(株式が流通しにくくなります)になったり
重役が逮捕(金融商品取引法違反)されたりします
これらは主に「経済犯罪」と呼ばれていますが、
経済犯罪にあまり関心がない人が多いのも現状です
経済犯罪は、企業を傾かせ、果てには国を
傾かせる可能性だってあるのです
会計を真剣に学べば、
粉飾決算がどれほど罪なことかがわかりますね
みなさん!お金の管理は慎重に!!
さて、本日の本題である発表の紹介をしましょう
全員となると多いので、
ピックアップした3名をご紹介したいと思います
まずは樋渡くん。「東芝」についての発表でした
今回は原子力事業関連の不正ではなく、
一昔前のPC事業における利益水増しを説明してくれました
部品を組立会社(外注先)に仮販売(有償支給)し、
出来上がった製品を買い戻す取引を行った際、
製造原価を過少に計上し、利益操作を行ったとされています
次は中川くんが、「オリンパス」について発表してくれました
含み損(評価すれば表に出てきていない生じる損失)を含んだ資産負債を、
特別目的会社(特定の目的のために簡易設立される会社)に譲り渡し、
あたかも損が出ていないように繕った粉飾の仕組みを説明してくれました
最後は園田くんの、「カネボウ」についての発表です
カネボウは、一つの製品を関連する数社の間で売買しあうことによって、
内部的な売り上げを多額に計上した粉飾を説明してくれました
どれも、簿記の知識なしにはわからない内容ですね
発表の後は、内容について学生同士で議論しあっていました
日本のみならず海外で起こった粉飾事件にも
臆することなく突っ込み、研究を行ってくれました
この研究を通じて、
「自分たちが必死に学んでいる会計が
このようなことに使われていると、
ますます会計の社会的価値が下がってしまうのではないか」
と、学生は危惧していました
会計を学ぶ我々は、
粉飾の事例とその後を知ることで、
教訓にしなければなりません
会計はしっかり学べば、悪いようにも使えてしまいます
しかし、それを「だめだ」といえる人間性、正義感も併せて
学習しましょうね
胸を張って、会計の力で仕事をしていけるように頑張りましょう
最後までお読みいただき、ありがとうございました